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櫻井 海都

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【ブラック企業体験談】入社3日目、ブラック企業に転職してから、はじめてまともな人と出逢った。

2014年10月09日

2日目の他部署研修が始まった。

 

今日は朝から、Kとはあっていない。なぜなら今日Kは昨日私が行った倉庫での他部署研修を言い渡されているからだ。季節は冬。昨日の私が感じたように倉庫はとても寒い。寒さは急激に体力を奪うし、かじかんだ手は硬直し重たい荷物を運ぶのに支障が出る。
しかも今日は朝五時過ぎから倉庫の業務があるという。昨日と比べかなり冷え込むはずだった。

 

私は今日はKと交代で配送補助の他部署研修だ。

 

朝私は少しだけ倉庫に出向いたがそこにKの姿はなかった。おそらく奥の部屋で作業をしているのだろう。私は倉庫に着くなりすぐに担当者の元へ歩いていった。昨日は研修担当者に一切研修内容を言い渡されていなかったが、どうやら今日は、きちんと伝わっているようだった。

時間になり、私は配送を行う為のトラックに乗り込んだ。

 

「なんでうちなんかに入社したんすか?」

 

二人きりになるなり、私にそう訊いてきた。今日の研修担当者は若い。おそらく25・6歳。昨日の男と違い、私に対し、くだけてはいるが一応は敬語を使ってくるところも好感が持てた。

 

私は、当たり障りのない程度にその理由を述べた。すると、その担当者は笑顔で「そうなんすね〜」と私に言ってきた。すると「一応、自分、リーダーやらせてもらっているんですよ〜」訪ねてもいないのに、男はそう言った。

 

しかし、若いのにリーダーか。それなりに仕事が出来る人なのだろうな。その時私はその男に対してそう感じていた。そう言えばひとつひとつの動作がとても機敏だ。ある程度の年月を重ね、さらに熟練した者にしかなせない機敏な動き。

 

その後、何を話しただろうか。私は覚えていない。しかし、この男とはかなりくだけた話をしたと記憶している。例えば、配送担当者は営業のことをよく思っていないこと、配送と違い、営業は一体何をしているのかわからないというのがその不満の根底にあった。

 

オレたちはいつも重たい荷物を運んでいるのに、営業はなんだかよくわからない、仕事ともよべない仕事をしている・・・それが配送の者たちの大方の考えらしい。

 

会社への不満も私に述べていた。

 

しかし、この男との会話で一番印象に残ったことは「うちの会社は口だけですけどね」だった。
その言葉がどんな意味を持つのか、その時は知る由もなかった。

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