【雑感】会社が成長するには4人の役者「起業家」「実務家」「管理者」「まとめ役」が必要。

サイバーエージェント社の藤田晋さんは本当にすごい人だと思う。

 

ご本人はご謙遜されているけれども、やはり流れを読む力が抜群にすぐれている方だと思います。

 

例えば、私の記憶の中の話になってしまいますが、サイバーエージェント社はもともとはインターネットを主軸として考えておらず、たまたま知り合いの経営者からインターネットが面白いという話しをきくことになります。

 

そこからインターネット広告代理店として会社がスタートするわけですが、売上が好調なことからすぐに他社のサービスを真似た自社のサービス(サイバークリック)を手がけることになります。

 

つまりインターネット広告の代理店から、インターネット広告事業に方向転換をしています。

 

代理店広告なんてひとつの広告を売っても大体20%程度のマージンですから(100万円の広告を売っても粗利は20万円にしかならない)この方向転換は実に大きなものだったと思います。

 

さらに、その後アメーバ事業の一環としてアメブロを立ち上げ、広告会社という主軸は変えずに、インターネットメディア事業に本格的に乗り出しています。

 

さらにその後、スマホの普及に従って、インターネットメディア事業という軸をぶらさずにゲーム関連の事業にも乗り出しています。ひとつの成功事例にとらわれずに、その関連事業をより深堀することによって裾野を広げて行く戦略には非常に目をみはるものがあります。

 

サイバーエージェント社で手がけている、ほとんどのサービスが、オリジナルではなく二番煎じだという意見もあるようですが、経営としては非常に堅実でうまいやり方をされていると思います。

 

だからこそ、インターネット関係の事業を手がけている会社の社長がどんどん入れ替わりする中、藤田晋さんは創業から今に至るまで17年間も社長を続けていることが出来ているのだと思います。

 

主軸はぶらさずに、裾野を広げて行く・・・当たり前のようだけれども、これをスピード感もって出来る会社は今の日本にどれくらいあるでしょうか。

 

多くの会社は、ひとつの成功事例にとらわれ、その成功にしがみつき、時代について行けず、時代に翻弄されているのではないでしょうか。

 

そんな中、スケール感を失わずに、舵を切れるというのは、とてもすごいことだと思います。

 

さらに、会社と適度な距離を置いておられ、自分が主導となる場面では主導権を握り、自分が出るまくではない時は、会社から距離を置き、引っ込んで影から支えるという会社との距離のたもち方も非常にうまい。

 

経営コンサルタントの神田昌典氏によれば、会社が成長するには4人の役者が必要で、それは「起業家」「実務家」「管理者」「まとめ役」の4人をさすと言います。

 

「起業家」と言うのは、簡単に言えばアイデアマンで、そのアイデアを実行するのが「実務家」の役目だと言います。そして導入期には「起業家」と「実務家」の力が必要。この二人が出会うことによって会社は成長すると言います。

 

そしてその後会社をシステム化するにあたって「実務家」と「管理者」の力が必要になり、その間、起業家は口を出さないことが大事だと言います。何故なら起業家はアイデアを出すことが仕事であり社内で活躍する限り混乱を招いてしまう存在であるから。

 

では、その間「起業家」は何をしていれば良いのかというと「会社から離れて遊んでいることが重要」だといいます。

 

僕はこの考えは経験から非常に的を得ていると思っています。

 

まとめると、「起業家」は長期的視野のアイデアがどんどん湧いて来る人で創造力があり、そのアイデアを実現しようと行動する人、そして「実務家」はアイデアを具現化して行く人、そして「管理者」は日常業務をシステム化する人のことをさすわけです。

 

そしてこれをサイバーエージェント社に当てはめてみると(2015年5月現在)藤田晋さんが今何をしているのかと言えば、麻雀に熱中されています。端から見れば麻雀なんかしていないで、きちんと仕事をしろよという風に見えるのかもしれませんが、恐らくこれは考えての上のことなのでしょう。

 

そしてこうして「起業家」が休んでいる間に「実務家」と「管理者」が協力し合い社内をシステム化します。つまりは「起業家」によってごっちゃごっちゃになった、会社組織を整えて行くということです。

 

「起業家」は遊んでいる間にたくさんのアイデアが浮かんできます。そして「実務家」と「管理者」により、社内のシステムが完了した頃を見計らってまた会社に戻る。すると今度は、また「起業家」の考えた優れたアイデアにより新たなる成長カーブを築くことが出来る・・・というわけです。

 

そして「まとめ役」により会社が一丸となって同じ方向を向いて行く・・・という流れです。

 

会社と言うものは時期によって異なるキャラクターが活躍する部隊のようなものであり、それぞれが適切な時期に、それぞれのキャラクターの力を借りなければ大きくなることは出来ません。

 

そういう意味においてみてもやはり、藤田晋さんは敏腕経営者だなと思うのです。

 

最後に・・・もちろんサイバーエージェント社はいろんな意味でブラック扱いされることが多いですが(関係者に話しを聞くと、ブラックと揶揄される意味も納得できます)やはり、すごい会社であることには間違いないのだなと思います。

 

もちろん私が目指している方向性とは違うので私が独立しても、サイバーのような会社は作りませんが(笑)

 

しかしながら、学ぶべきところは多分にあると思うのです。

 

 

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