【ブラック企業体験談】ブラック企業で私が唯一信頼できる男は同期だった。

ブラック企業の会議室であったのは一人の男だった。この男こそが、私と同期となる人物Kだ。出逢いこそ、実に気まずい出逢いだったが、私は今後、私が転職したブラック企業の中で唯一信頼できる男となっていく。

 

ブラック企業に転職した初日、私たちは会議室に通され、何の連絡もなく30分ほど待ち続けるとようやく人事担当者が入ってきた。入ってくるなり彼は一言。

 

「あ〜これ渡すからこれについての感想をこの原稿用紙に書いておいて。ここの項目ね。45分あげるから。わからないことあったらその後質問の時間設けるから」

 

そしてそのまま部屋を出て行った。

 

私たちはしばし呆然。遅れてきて「申し訳ない」の一言もないのかよ・・・私はちょっとした違和感を感じていた。恐らく同期のKも同じことを感じていたのだと思う。私たちはちらりと目配せをし、一冊の本と、二枚ほどの原稿用紙を自分のそばにもってきた。

そして自分のそばにもってきて気がついた。このことは何を意味しているのだろう。感想?どのように書けば良いのか?思ったこと、感じたことをそのまま書けば良いのか?

 

私たちの頭の中には疑問符が浮かんでいた。そのあとその一冊の本をペラペラとめくり、少しばかり読み進める。これをまとめればいいのだろうか?・・・私たちは試されているのか?新人なら誰でも考えるであろう、なかば読みすぎな疑問をそのとき思った。

その時だった。はじめてKが私にこういった。

 

「随分ざっくりしてますね」

 

私はKの目をみると

 

「まとめればいいんですかね。質問したいことが山ほどありますが、出て行っちゃいましたね」

 

私たちは、お互い苦笑した。

 

「とりあえず、指定の場所を読んで何かそれについて思うことを書きましょうか」

 

私たちは45分をフルに使い、指定の項目を書き進めた。

 

 

つづきはこちらから【ブラック企業体験談】ブラック企業の人事担当者とのファーストコンタクト。

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