世の中に完璧な企業などないと思う。
しかし、転職者は何らかの希望を持ってその企業に就職する。何らかの不満、何らかの可能性、何らかの希望。その居たたまれない思いを抱え転職する。
そして、私もその一人だった。
朝起きると、私は胸の高まりをごまかすことが出来なかった。
曲がりなりにも、私は新天地でその力を思う存分に活かし、会社の成長に貢献していこうと思っていた。
この物語、私のブラック企業体験は初日からはじまる。
私が会社に到着し、本日からお世話になることを事務のものに申し伝えると、比較的奥の広い部屋に通された。
部屋に通されると先客がいた。そうこの男こそが、私の同期となる男だ。
私は軽く頭を下げると、その席の近くに腰をおろした。しばらく無言の時間が流れる。お互い今日から転職したもの同士、テレビドラマならばこれから一緒に頑張ろうぜぐらいの一言があるのかもしれない。しかし、現実はそうはいかない。現実は良い年をした男が集まると警戒し、お互いの懐をさぐりあうものだ。だだっぴろい部屋に無言の男二人、私たちもそれにたがわず無言の時間の中でお互いの腹の底を探り合っていた・・・どうみても奇妙な光景だ。
お互い、意味もなく天井をみたり、周りをみるような仕草をみせてはいたが、おたがいの気持ちは相手にむかっている。そんな感じだった。私はいてもたってもいられなく、ついに沈黙を破った。
「結構駅から距離がありますね?」
すると男はいう。
「そうですね」
実に素っ気ない対応だった。こいつできるやつかもしれない。私はそのときそう感じたものだ。しかし、15分ほど待っても担当者はいっこうに来る気配がない。私たちは沈黙の中、腹を探り合い待ち続けた。結局30分ほど待って担当者が来ることになった。
つづきはこちらから【ブラック企業体験談】ブラック企業で私が唯一信頼できる男は同期だった。
[…] つづきはこちらから【ブラック企業体験談】ブラック企業の会議室で出逢った同期の男 […]
[…] 【ブラック企業体験談】ブラック企業の会議室で出逢った同期の男 […]